訪れたのは2019年4月27日~28日
残雪期の至仏山です。
夜中の高速道路を走り2時頃「道の駅尾瀬かたしな」に到着、3時間ほど仮眠をしました。
フラットな駐車場と、新しい施設ということでトイレも綺麗で快適です。
もくじ
残雪期の至仏山 GWは貴重な期間
至仏山は植生保護の観点から、5月下旬の山開きの日までは入山が禁止されています。
また、入山期間中でも至仏山の山頂から山の鼻に下山することはできません。
しかし、GWの期間中だけ特別に入山することができます。
しかも鳩待峠から至仏山の山頂を経由して山の鼻へと下山することもできるのです。
残雪の至仏山へと登ることのできる貴重な期間なのです。
尾瀬の山小屋もGWの時期だけ開けているところもあるので宿泊することもできます。
最近は雪解けがすすむのが早いようなので最新の情報を確認してください。
戸倉の駐車場から鳩待峠
道の駅尾瀬かたしなから戸倉までは車で約30分ほど。
尾瀬での宿泊先として「尾瀬ロッジ」を予約していました。
専用の駐車場があるとのことなので、そちらに駐車しました。無料なのが嬉しいです。
尾瀬第2駐車場の隣になります。
朝8時前に到着したのですが、尾瀬第1、第2駐車場を通った時にバス停に行列ができているのが目に入りました。
人は多いだろうなとは思っていましたが、想像をはるかに超えた大賑わいです。
もしかして、と思いつつ、尾瀬ロッジから届いた宿泊券に記載されているタクシーに電話をしてみたところ、「大混雑で車を回せない」とのこと。ですよね。
尾瀬第2駐車場の前のバス停の列に並びました。並木待合所でバスの乗車券を購入します。
小一時間ほど並んでバスに乗ることができました。
先日降った雪のせいで、バスのスピードが出せないというのも行列が伸びている理由だそうです。
鳩待峠への道は細くくねくねとした山道です。これは確かにスリップの危険もあるので徐行運転になります。
この時期はマイカー規制はされていないので、鳩待峠の駐車場まで一般の車が入ることもできますが、細い道でバスとの行き違いも多くて大変ですし、駐車料金が高いので戸倉からのバスを利用する方が安全でおすすめです。
鳩待峠から至仏山 残雪期限定の貴重なルートへ
鳩待峠に到着すると、雪の壁が迎えてくれました!
春先の雪壁は圧縮されてカッチカチです。
シャーベット状の道路を歩いてすぐ、鳩待休憩所の前で出発の準備を整えます。
この建物の裏にトイレがあり、使用できるのですが、そのトイレまでの階段が雪の階段で、踏み固められていてツルツルなのがちょっと怖かったです。
足元をどうしようか、少し歩いてから決めようということで予定よりも1時間ほど遅れて出発です。
バス停では行列でしたが、歩き始めると程よい距離間で周りの人のことはあまり気になりません。マイペースで歩けます。
程よく踏み固められた雪の道は歩きやすく、滑ることもないのでつぼ足のまま歩くことができました。
穏やかな天気の中気持ちのいい雪山ハイクです。
途中でふと周りの様子をみて気が付いたのですが、アイゼンの人、山スキーの人、スノーボードを担ぐ人、スノーシューとそれぞれ思い思いの装備で歩いています。なんだか楽しい気分になります。
そういうAnko&Mochiの背中にはスノーシューとソリがくくり付けられています!
一面の雪景色にワクワクが止まりません。
歩き始めて30分ほどたったでしょうか。ふと振り返ってみると、日光白根山が見えていました!
そして、スタートして1時間ほどたったころ、前方の視界が開けて至仏山の山頂が見えてきました。
たおやかな山容がとてもきれいです。
登っていくと、道を逸れた斜面でスノーボードをしているグループがいました。
木々の間のそこは天然のハーフパイプのようになっていて、そこを滑っているようでした。
小至仏山の手前辺りに来ると燧ケ岳が見えてきました。快晴です。
穏やかな天気の中の雪景色が気持ちよくてついつい足が止まってしまいます。
黙々とどんどん歩いて行ってしまうのはもったいなくて、雪の感触を楽しみながらのんびりと歩きます。
小至仏山の山頂を目指す人はほとんどいなくて、トラバース道ができていています。この手前でチェーンスパイクを装着しました。
雪の照り返しが強くてサングラスを外せません。
日焼けしそうです。
景色にみとれながらのっそのっそ歩いていたら山頂に到着できました。
スタートから3時間くらいですね。速さは求めていません。
今、ここにいる幸せをかみしめます。
たくさんの人がランチを楽しんでいます。
さっそく山頂標識で記念撮影です。もうすっかり雪から出ていました。
よく写真では見ていたのですが、こんなにも大きなものだったのですね。
澄み切った空気の中、遠くまで見渡すことができて最高です。
1時間ほど山頂でランチしたりとのんびりしてから山の鼻へと下山します。
通常、無雪期の開山期間中は至仏山山頂から山の鼻へと下ることはできません。
マップを見ても登りのコースタイムしか書かれていないので、いまいちタイムが良く分かりませんでしたが、まあ、余裕を持って2時間くらい考えておけば大丈夫でしょうということにしました。
山の鼻方向へ下り始めると、眼下に尾瀬の雪原と、その奥にそびえる燧ケ岳が良く見えます。
この景色が見たかった!
しばらく歩く、高天ヶ原のあたりでしょうか。雪が無くなり木道が出ているところがありました。
ここでチェーンスパイクを外しました。
木道が終わるとたっぷりと雪のある斜面にでます。登ってきた道とは違いフカフカとした雪です。
傾斜は登ってきた道よりもこちらの方がキツイですね。
ここからまたアイゼン等を装着している人もいましたが、Anko&Mochiはソリの出番です!
スキーヤーが滑るのはまた別の斜面なのでこちらはだいぶ空いています。
久しぶりのソリにちょっとドキドキしながら乗ったのですが、エイっと足を上げると想像以上によく滑って加速していき、雪にはまって止まる、みたいな感じになりました。
ソリで滑って、転がって、雪まみれになって、こんなに童心に帰って笑い転げたことはあったかなというくらいに、めちゃくちゃ楽しくて爽快でした。
でもだんだんと樹林帯に入って、傾斜もゆるくなり、ソリもあまり使えないなと思いながら歩いていると、下山終了になります。
雪原を少々歩いて行くと、本日の宿「尾瀬ロッジ」に到着です。
尾瀬ロッジに宿泊
大きくて立派な建物です。
ここは個室に泊ることができます。
こじんまりとした和室です。部屋に暖房はないので寒いかもしれないと思っていましたが、西日が差しこんで暖かくなっていました。
部屋の窓からは至仏山が見えました。
とてもとても楽しい山でした。
この尾瀬ロッジにはお風呂があります!
シャンプーなどは使えませんが、温かいお湯に浸かって身も心もほぐれます。
お風呂で温まった後は夕食です。
食器の片づけについての説明を聞いた後、いただきます。
お肉の陶板焼きやポトフなどボリュームがありおいしかったです。
夕食後、まだ外が明るかったので出てみました。
夕焼けというわけではありませんでしたが、にぎやかな昼間とは違い静かな雰囲気を漂わせていました。
振り返ると燧ケ岳も静かにそびえたっています。
とても楽しい一日でした。
尾瀬の雪原でピクニック
ごはんの友がたくさんの美味しい朝食を食べたら出発です。
2日目もいい天気です。
尾瀬ロッジを出ると、すぐに尾瀬ヶ原の湿原、ではなく雪原が広がっています。
無雪期だと、木道の上を歩く尾瀬ヶ原ですが、雪のあるこの時期はどこでも歩きます。
人が歩いている道はだいたい決まっていて、そこは程よく締まっているのでそのままでも歩けますが、せっかく持ってきたのでスノーシューで歩きます。
そうすると、道を外れてもどこでも歩けるので楽しいです。
雪の下に池があるだろうと思われるところはかなり雪がシャビシャビで注意が必要ですが、だいたいどこも歩くことができます。
途中、雪原の真ん中でピクニックをしました。雪がちょっと茶色いのはやはり春だからですね。
普通のコーヒーとクッキーでしたがとってもおいしかったです。
ここからもう少し歩いたら竜宮小屋に着きました。
だいぶのんびりと来たので、ここでUターンです。
この雪の深さ、木道が出てくるまで、もう少しかかりそうですね。
この後、山の鼻まで戻り、川沿いの道を歩き鳩待峠まで戻りました。
鳩待峠からまたバスに乗り、駐車場に戻りました。
GWの尾瀬 まとめ
- GWの短い期間だけ特別に入山できるので、天気によってはかなりの混雑が見込まれます。
- 鳩待峠にも有料駐車場はありますが、そこまでの道が細い、バスと頻繁にすれ違う、料金が高いということから戸倉の駐車場を利用することをお勧めします。
- 山の鼻に宿泊するのであれば問題ないとは思いますが、日帰りの予定の人は早めのバスに乗れるように戸倉の駐車場には早めに到着するようにしましょう。
- 宿泊した尾瀬ロッジは、当初は2番目の候補でしたが、お風呂があり、個室に泊ることができるのでとても快適です。
- 尾瀬ロッジは戸倉に無料の専用駐車場があるので便利です。
- 入山の際の装備はその年の残雪量や天気にも影響されます。最新の情報を確認しましょう。
- 雪原を歩くだけでも楽しいですよ。
- 水芭蕉にはちょっと早いですが、池のほとりなどで早く咲いた水芭蕉をひとつふたつくらい見ることもできます。
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