2012年夏のことです。
もくじ
プロローグ
初めて車中泊旅に出た夏休み。移動しながら日帰りの登山をしていた夏休み。
環境省のビジターセンター巡りもしていた夏休み。
そんな夏休みの後半戦、上高地のビジターセンターにも行こうということになったのですが、バスに乗っていったんじゃ面白くない。
せっかく購入したテントも持ってきたことだし、山を歩いて上高地に行こうということになりました。
そこで考えたのは
中の湯の焼岳登山口⇒焼岳⇒西穂山荘(テント泊)⇒西穂高岳⇒西穂山荘⇒上高地
登山口の駐車場へはバスかタクシーで戻ろうというプランです。
中の湯登山口から焼岳
平湯の料金所の近くで車中泊をして、朝、中の湯の登山者駐車場というか道横の駐車できるスペースへ車を停めました。
すぐそこの登山口から出発です。
森の中を進み、
ちょっと急な木の根っこ階段を進み、
森の中を進む
朝露で湿った樹林帯の中をしばらく進みます。
緩やかに緩やかに進んでいくと、ふと、頭上が開けます。
見上げると焼岳が頭をのぞかせています。
樹林帯を抜け、森林限界を超え、青空も出ている。気持ちいい!
焼岳に向かって登っていくこの斜面。視界も広くてテンションあがります。
登り進めていくと、時折風に乗って硫黄の香りがしてきます。
原因はこれですね。
けっこうシューシュー出でいました。
焼岳は活火山です。
南峰と北峰で構成されていますが、南峰へは立ち入り禁止となっています。南峰の方の火山活動が活発だからのようです。
中の湯登山口からのコースだと、南峰と北峰の鞍部を通ります。
見ているのはたぶんこれ
ダイナミックな山の潤いと熱量を同時に感じる場所です。
ここまで来たら山頂はすぐそこです。
焼岳は中の湯からと、上高地から、そして岐阜側からとルートがいろいろあり日帰りで登れる山です。
そのために山頂はたくさんの人で賑わっていました。
Anko&Mochiもここで休憩し、栄養補給をしつつ進行方向を眺めます。
焼岳から西穂山荘
穂高方面は雲がかかっていて見えませんが、緑の尾根を歩きます。
まずは小さく見える緑色の屋根を目指します。
焼岳の直下は急なので注意して下ります。
焼岳小屋です。ここで焼岳のバッジを購入しました。
ここから先はずっと尾根道ですが樹林帯の中を歩いて行きます。
焼岳ではいいお天気できたが、この頃から空に雲が増えてきました。
時折ポツポツと雨粒が落ちてきましたが、レインウェアは着ずにそのまま歩きました。
おおまかな標高は2200mほどに位置しているルートですが、樹林帯の中はとっても蒸し暑かったです。
焼岳小屋から約3時間半、汗だくになりながらも15時前に西穂山荘に到着したときにはホッとしました。
受付を済ませて、まだ空いているテント場にテントを張ったらリラックスタイムです。
初めてのテント泊のはじまりです。
↑クリックするとテント泊の詳細ページです。
眺めのいいテント場で楽しい時間を過ごしましたが、夜中に雨が降り出した時には不安になりました。
西穂山荘から西穂高岳往復
早朝はご来光も見えずにどんよりとしていましたが、日が昇るとともに明るい空になってきました。
天気予報は午後から下り坂のようなので、昼前までに戻る予定として西穂高岳に行くことにしました。
サブザックを忘れてしまったので、片方のザックを持っていく荷物入れてAnkoが背負い、もうひとつのザックを留守番の荷物としてまとめ、西穂山荘のザック置き場に置いて出発です。
山荘の横、ちょっと登っただけで絶景が広がっていました。
こんなに気持ちのいい朝を迎えられるなんて!
昨日歩いた尾根がまるっと見えます。
焼岳の後ろの大きな山は乗鞍岳です。
そして、これから歩いて行く道が見えています。
途中までは美しい緑の尾根です。
だんだんと岩々してきます。
西穂高岳独標は賑わっています。順番に記念撮影します。
笠ヶ岳が綺麗に見えていて嬉しくなります。
西穂高方面を見ると、ピークがいくつも重なっています。
ここから西穂高岳へはまず急な岩場を下ります。足場は分かりやすいです。
少し進んでから独標を振り返ってみたもの。賑わっているのがよくわかります。
途中、一か所大きな岩を超えるときに足場が見えにくくて怖い箇所ありました。
途中にあるピークのひとつ、ピラミッドピークには標識が立っています。
後ろに見える一番高いピークが西穂高岳です。ガスが出てきました。
ルート上には矢印と丸印がマメにあるのでわかりやすいです。
右上の方に進んでいきます。
偽ピークをいくつも越えて、
空へ登るよう...
ぐんぐん登っていきます。
山頂直下の登りにくい岩場を越えると、西穂高岳の山頂です!
ここまでは実線ルートですが、ここから先は破線の難易度の高いルートなので、眺めるだけです。
ただ、残念ながらそちらの方は雲で覆われてしまい、穂高岳やジャンダルムなどは全く見えませんでした。
しばらくのんびりしていましたが、雲に包まれ始めてきたので戻ることにしました。
山頂から下るときの直下の岩場が、足場が少なく滑りやすいので慎重に、注意して下ります。
山の雷の恐怖
無事に山頂直下の岩場を下りたら、来た道を戻っていくのですが、ピラミッドピークまで戻ったあたりで遠くからゴロゴロと雷鳴が聞こえてきました。
山で雷、しかも岩場で雷なんて恐ろしいです。
普段、雷は遥か頭上の空でゴロゴロと音がしますが、この時はまだ遠くとはいえ同じくらいの高さで音がしているのがわかりました。
その音がどんどんと近づいてくるのです。
必然的に歩みは早くなります。
独標を過ぎ、岩場が終わってからはもう西穂山荘目指して猛ダッシュしていました。
他にも登山者はいましたが、みなさん走っていました。
ポツポツ降り出した中、なんとか山荘の軒下に入って間もなく、外は土砂降りになりました。
気持ちは「助かった~」が率直なものです。(下山後に知りましたが、この日槍ヶ岳で落雷事故がありました)
上高地へ
西穂山荘の軒下でしばらく雨の様子を見ていましたが、一向に弱まる気配はありません。
上高地まではずっと樹林帯の中の道になるので、レインウェアを着こみ下山することにしました。
大粒の雨は木々の葉っぱの間を縫って下まで落ちてきます。
道は明瞭です。どんどん下っていくと道幅が広がり林のようになってきます。足元ばかりを見ていたら迷ってしまうかもしれませんが、顔を上げて歩けばピンクのリボンの目印があるので迷いません。
下った先にある田代橋から山々を見上げると、青空が見えていました。
でも小雨がぱらついていて、不安定な天気です。
梓川沿いの遊歩道を歩いて行くと、上高地といえばここ!の河童橋に出ました。
ここに来たら、こんなにびしょびしょなのがちょっと恥ずかしくなってしまいました。
橋を渡らずに、もう少しだけ奥に行くと、今回の一番の目的地である「上高地ビジターセンター」があります。
ベンチでびしょ濡れのレインウェアを脱いで。荷物を置き身支度を整えます。
ここのスタンプを押すことが目的ですが、上高地の自然についての展示がなかなか面白いのでぜひ立ち寄ってみてください。
上高地から中の湯駐車場
上高地のバスターミナルへ行き、相談したところ、バスはちょうどいいのがないのでタクシーが良いとのこと。
今日はもうこれで上がりという運転手さんのタクシーに乗りました。
Anko&Mochiがまだ大正池を見ていないことを知ると、ぜひ見ていってほしいからと寄ってくれました。
霧がかかって幻想的です。昨日や今朝見た焼岳とはまた違う顔をしていました。
上高地から中の湯駐車場までのタクシー代は3000円前後だったように思います。
下山後の温泉
平湯温泉にある「ひらゆの森」を利用しました。
日帰りの温泉施設ですが、平湯ということで泉質が良いのはもちろんのこと、洗い場が多い、内湯の雰囲気がいい、露天風呂は広くて公園みたい、ととにかくのんびりできる温泉です。
登山の後は広ーい温泉にのびのび入りたいですよね。
食事処もあり、ビールを飲みながら名物の朴葉焼きなどおいしいです。
まとめ
- 中の湯の焼岳登山口駐車場はスペースが限られるので満車になるのは早いと思います。
- 中の湯からの焼岳は日帰り登山にもおすすめです。
- 焼岳は活火山です。最新の情報を確認してから入山しましょう。
- 西穂山荘のテント場は、新穂高ロープウェイを利用すると歩行時間が1時間半ほどなので、初めてのテント泊を景色のいいところがいい、という人にもおすすめです。
- 荷物を小屋に置いて山に行く際は、折りたためる小さなザックを持っていくと便利です。
- 西穂高岳独標、さらにその先の西穂高岳は岩場の連続なので注意しましょう。
- 天気予報はマメに確認しましょう。
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