槍ヶ岳 憧れの頂への旅

訪れたのは2019年8月11日~14日

天気と休みの関係でなかなか実現しなかった槍ヶ岳。今年こそ!

計画したルートは飛騨側の新穂高温泉から西鎌尾根を歩いて槍ヶ岳に登頂し、飛騨沢から下山してくるというものです。

もくじ

1日目 新穂高温泉からわさび平小屋へ

この日は自宅から移動してきて、新穂高温泉のところの無料の登山者駐車場で車中泊して、翌朝から登山という予定でした。

新穂高ロープウェイへ行く途中のトンネルのところの駐車場です。駐車待ちの車の列と、交通整理の方がいました。

しかし、予定よりだいぶ早く駐車場に到着したこと。タイミングによってはまたすぐに満車になってしまいそうだったことから、準備をして出発することにしました。

この日の目的地はわさび平小屋です。

まずは新穂高登山指導センターで登山計画書を提出します。

このとき「登山届届出済証」というカードを貰いました。それを記入して下山時に提出するというものです。

指導センターの横を流れる川にかかる橋を渡っていよいよ出発です。

登山道というか林道のようなゆるーい上り坂を歩いて行くと1時間少々でわさび平小屋に到着です。

標高1400mのわさび平小屋に到着すると、下山してきただろう登山者で賑わっていました。

小屋の前では冷たい水を利用してたくさんのトマトやリンゴが冷やされています。

少ししか歩いていませんが、ここまでとても暑かったのでトマトを購入して食ました。よく冷えていておいしい!

部屋は一人1枚の布団と隣の人とのスペースも十分にありました。

夕食の前にお風呂に入ります。この小屋にはお風呂があることも早めに出発してきた理由のひとつです。

お風呂でさっぱりとした後は、夕食です。

イワナの塩焼きや冷たい蕎麦、肉じゃがが美味しかったな。お風呂に入れて、品数豊富な食事が出て、なんだか旅館に来たみたいです。

わさび平小屋のお風呂
  • 温泉ではなく沢の水を沸かしたもの。
  • シャンプーとボディーソープ完備。
  • 女湯の脱衣所にはドライヤーがありました!嬉しい。

乾燥室はパワフルで、お風呂で濡れたタオルもすぐに乾燥してくれます。

2日目 わさび平小屋から双六小屋へ

小屋ではバランスの取れた朝食が食べられるのも魅力です。鮭が美味しかった。

準備を整えたら出発です。

朝の爽やかな空気の中をいよいよ北アルプスの懐へと入っていきます。

20分ほど林道のような道を歩いて行きます。

登山道に入りゆるゆると登っていき、ふと見上げると、大喰岳と中岳の間かな?朝日が顔を出しました。御来光ですね。

槍ヶ岳が見えています!

胸が高鳴ります

秩父沢では休憩している人がたくさんいました。日が出てくるとたちまち暑くなってくるので、沢が流れる涼し気な休憩ポイントは貴重な場所です。

秩父沢を過ぎてしばらく行くとゆるゆるとした登り道になっていきます。ですが、ちょうどよく石が並べられていて、とても歩きやすいです。これまで歩いた登山道で一番の歩きやすさかもしれません。登山道の整備に関わっている方々に感謝です。

緑に囲まれた道をしばらく登っていき、ふと振り返ると、ギザギザの穂高の山並みと焼岳、乗鞍まで見えていました!

緑が多くムワッとした感じの道をまたゆるゆると登り続けます。

途中、クマの踊り場というかわいい名前のポイントもあります。想像してしまいます。月明かりの下で踊るクマ、かわいい・・・

そうこうしているうちに鏡平に着きました。

急に槍ヶ岳が近くに見えて驚きます。そしてそして、鏡池が鏡になっていて逆さ槍が見えている!

今日はもうここでボーっとしていたいかも、という思いにも駆られましたが先に進みますよ。

でもすぐにまたストップです。

鏡平山荘に着きました。

いやもう、ここでこれを素通りできる人、尊敬します。

そしてまさか宇治金時があるとは思いませんでした!

Ankoは宇治金時、Mochiはメロン味で幸せなひと時を過ごしました。

この後、気温が上がってきて弓折乗越までの道のりが暑くてきつく感じました。

左手から槍ヶ岳まで続く稜線が西鎌尾根です。明日はあれを歩きます。

弓折乗越まで来ると、さっきまでいた鏡平山荘がだいぶ小さく見えて、見上げていた槍ヶ岳と高さが近くになってきます。

この日はとても暑くてのどが渇きます。マメに水分の補給をします。

歩きながら、右を見ると槍ヶ岳が見える。最高です。

ついつい足が止まってしまいます。

いつもは雪田があるというところは、ほとんど溶けてしまっていて残っているのはほんの少しです。

チラチラ咲いている花を見ながら歩いて行くと、奥には鷲羽岳がドーンと聳えているのが見えてきました!

鷲羽岳の手間に双六小屋が見えています。もう少しです。

テント場にはすでに色とりどりのたくさんのテントが建てられています。

池があったりしていい雰囲気のテント場です。

Anko&Mochiは小屋泊りなので受付でチェックインです。

まだ夕食には時間があるので、荷物を置いて身軽になって双六岳に行ってみました。

とてもいい青空が広がっていたのですが、双六岳に向かうにつれて槍ヶ岳方面の雲が増えてきました。

双六岳の山頂付近は広々としてたおやかなです。のんびり散歩と行きたいところですが、なんだかちょっと怪しげな雲が近づいてきています。

せっかくの黒部源流の山々もガスの中に隠れてしまいました。

しばらく待っても見えてくる気配はなかったので、そそくさと山頂で写真を撮って

すたこらさっさと小屋へ戻ります。

小屋に戻ると、売店ではビールやカレー、うどんなどメニュー豊富に販売していて、飛ぶように売れていました。

Anko&Mochiもお腹が空いていましたが、もうすぐ夕食なのでがまんです。

天ぷらをメインとした夕食、とても美味しかったです。この日は混雑していて食堂は3回転くらいしていました。

部屋は2人で布団一枚でした。2人組の多い部屋でしたが、隣の布団とは若干の隙間をとることができました。

明日は早起きの予定なので、すぐに出られるように荷物を整えて早くに寝ました。

わさび平小屋出発 5:10
双六小屋到着   12:10

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3日目 双六小屋から槍ヶ岳山荘へ

早朝、3:00前に起床。

受付の前に名前の書いたお弁当がたくさん並べられています。Anko&Mochiも朝食は弁当でと頼んでいたので名前の書かれたものを取ります。玄関横のテーブルでいただきました。

炊き込みご飯のお弁当でとても美味しかったです。

さあ、出発、ではなく、この日はペルセウス座流星群が見られるチャンスということで早起きしました。前年は飯豊山でAnkoだけが起きて流星群を見ていたので、ずっと見たかったんです。

さて、どうでしょう?

ごめんなさい。いいカメラを持っていたら素晴らしい星空の写真が撮れたのですが…

小屋の玄関をでて見上げると、もう凄い星空!流れ星もたくさん見えます!これが流星群なんですね。

本当にあっちもこっちも流れ星が見えて。星空を見上げている人は他にも数名いましたが、それほど多くはなかったです。お互いにひそひそと小さな声で「凄いですねー」「やりましたねー」と言っていました。

小一時間ほど天体ショーを見てから出発です。まだ真っ暗です。

出発するときには真っ暗でしたが、歩き始めるとすぐに空が白んできました。

樅沢岳の山頂で御来光を待ちます。

山の日の出時間は見ている標高や目の前に高い山があるかなどで変わってきます。

槍ヶ岳のシルエットが浮かびはじめました。かっこいい!

御来光は白馬岳方面から出てくるようです。

いい天気になりそうです。

朝日に輝く山々、振り返ると、そこには素晴らしい世界が!

こんなに気持ちいい朝の中を歩けるなんて幸せです。

西鎌尾根は緑が多く、花も咲いていて意外にも歩きやすかったです。

どんどん近づいてくる槍ヶ岳にわくわくが止まりません。

期待以上のお天気に、すれ違う皆さん口々にサイコーですねと。

かっこいい槍ヶ岳、振り返るとこれまたかっこいい山々、ついつい足が止まってしまいます。

千丈乗越まではゆるゆるとした道ですが、ここから先はグイっと登っていきます。

ぐいぐいグイッと登っていくと、槍ヶ岳の肩に出ます。

槍ヶ岳山荘のテント場はすでに9時くらいで定員になってしまったようです。皆さん早いですね。

Anko&Mochiは槍ヶ岳山荘に泊ります。とりあず端っこに荷物を置いたらすぐに槍ヶ岳に向かいます。

登り始めてすぐに渋滞です。

そういえばこの時はヘルメットを被っている人とそうでない人は半々くらいでしたね。

渋滞はしていましたが、時間もあるし、ゆっくり安全に登ることができました。

とてもいい天気だったのですが、槍ヶ岳の槍に登り始めてからどんどん周りにガスが出てきました。

登り始めてから山頂まで45分ほどかかりました。

とうとう槍の穂先に立ったぞーっ、とMochiは密かに感涙していたほどだったのですが、よくよく見渡してみるともう何にも見えません。

とりあえず、列に並んで順番に写真撮影をして。

少し待ってみましたが、ガスガスは取れないようなので下りることにします。

槍の穂先の一番の核心部は下りるときのこの梯子の一歩かなと思いました。

まあ、しっかり手すりがあるのでがっちり握れば大丈夫です。

下りてからまず、チェックインをしました。

一番奥の棟です。新しくてきれいでしたよ。荷物を置きに行ったときはまだ空いていましたし。

並んでいる布団がほんのり重なり合っているのが気になりましたけどね。

お腹が空いたので憧れのテラス席でラーメンを食べることにしました。

二人で一杯を分けたのですが、このシンプルなしょうゆラーメンがめちゃくちゃ美味しかったです。

ああ、この席でラーメンを食べる日が来るなんて!

この頃になると槍の穂先に向かう人もまばらになり、Anko&Mochiが登った時がいちばん混雑していたようです。

槍ヶ岳山荘には素泊まりにしたので、夕食は外のテーブルで作りました。

お湯を注ぐだけのパエリアです。

無印良品のミネストローネスープを足したら風味がアップして美味しかったです。

槍の穂先をこんなに近くに眺めながらのディナータイムなんて贅沢な時間です。

夕食を食べ終えて、片づけをはじめた頃、空からポツポツと雨粒が落ちてきました。

急に暗くなったので急いで小屋の中に戻ると土砂降りになりました。

山の天気は変わりやすいというけれど、この時、南の海上に発生した台風がこちらに向かってきていたことも影響していたのでしょう。

売店を覗いて、バンダナを買うか買わないかさんざん悩んで、保留にし、談話室に行ってみました。

大盛況のようで館内どこへ行っても人がいます。

この夜、一応一人一枚の布団でしたが、そもそもスリムな布団なので寝ると隣の人の肩がぶつかるような状態でした。

双六小屋出発 4:00
樅沢岳で1時間ほど御来光待ち
槍ヶ岳山荘到着 10:10

4日目 槍ヶ岳山荘から新穂高温泉へ 下山

昨夜の雨でどうかと思いながら4時過ぎに外に出てみると、まだ暗い空に槍のシルエットがくっきりと浮かび上がっていました!

登っている人の明かりも見えます。わお!

ぐーすかと寝ているAnkoをたたき起こしていそいで外へ。

御来光を待ちます。雲海が綺麗です。

素晴らしい御来光を見ることができました!

槍を見上げると人のシルエットがつんつんとしています。

御来光を見て下りてくる人の姿が見えたので、登ってみることにしました。

空いているのですいすい登れます。

山頂に着いたら大パノラマで、嬉しくって、同じ時にいた他の登山者さんとハイタッチしてしまいました!

自分のいる場所と見ている光景がまるで夢のように感じた瞬間でした。

笠ヶ岳の方を見ると、なんと影槍?とでも言うのでしょうか。くっきりと山肌にシルエットが写っていました。

昨日歩いた西鎌尾根もよく見えています。

そして穂高への稜線。向こうへと歩く日は来るのでしょうか。

満足ゆくまで山頂からの景色を眺めたら、小屋に戻って朝食にします。

外は寒かったので自炊室で食べました。

しょぼーい朝ごはんです。朝食の後はほとんどの人が出発して空いた部屋でひとしきり寛いでから出発です。もう少しのんびりしていたい気もしますが、出発です。

ロビーもがらんとして誰もいません。

悩んだバンダナは結局買いませんでした。うーん やっぱりちょっと心残りかな。

槍の穂先はすっかりガスに覆われてしまっていました。

朝のあのひと時だけだったようです。

槍ヶ岳山荘のテント場を通って、飛騨乗越から飛騨沢へと下りていきます。

ガスで真っ白かと思っていたのですが、飛騨沢を下り始めたら正面のガスが晴れて笠ヶ岳が見えてきました!

ありがたいことにこの美しい景色を見ながら下っていくことができて胸いっぱいです。

そして、この斜面はお花畑なんですね。

たくさんの花が咲いていました。

槍平小屋ではかき氷を販売していました。

この山行中、2回目のかき氷タイムです。

ここから先はずっとゆるゆると下っていく感じです。

白出沢出合から先の林道歩きがちょっと退屈ですがもう一息です。がんばりましょう。

登山指導センターに寄り、入山時に貰った「登山届届出済証」を提出口に投函して下山完了です。

まとめ

槍ヶ岳を目指す3泊の旅。3泊山小屋を利用しました。このときは予約は不要で泊まれましたが、最新情報をご確認ください。

わさび平小屋と双六小屋
水は無料です。

槍ヶ岳山荘
水は宿泊者は無料、それ以外の人は 1リットル200円

西鎌尾根から槍ヶ岳を目指すおすすめポイント
①無料の登山者駐車場があり、そこから好きな時間に出発できる。(バスに乗る必要がない)
②途中、双六小屋に宿泊することで、1日の歩行時間はそこまで長くならない。
③全体的に歩きやすく、危険個所はない。

下山後の温泉

福地温泉にある「いろりの宿かつら木の郷」の日帰り入浴を利用しました。

福地温泉に行ってみたくて、でもあてはなかったのですが、ちょうどこちらの宿の前にいたスタッフの方に聞いたところ、日帰り入浴ができるとのことだったので利用しました。

タイミングよく貸し切りで入浴でき、広い露天風呂が気持ちよかったです。

下山後の宿泊場所

道の駅 奥飛騨温泉郷上宝で車中泊しました。

網戸にしたら意外と心地よい風が入ってきて、久しぶりのプライベートスペースということもありよく眠れました。