訪れたのは2020年8月10~14日
夏休みも結局コロナの影響が収まらず、山小屋と、場所によってはテント場も宿泊は要予約。
Anko&Mochiも夏休みが始まるギリギリまで、行こうか、辞めておこうか、どうしようかと悩みましたが、受け入れる側も対策をしているし、訪れる側も対策をしっかりして注意しようということで北アルプスを目指すことにしました。
行先の候補の山小屋にいくつか電話で問い合わせたところ、すでに予約で埋まっているところが多く、日によっては空きもあるけどうまく日程が繋がらない。どうしよう。
燕山荘は小屋泊はまだ空きがあるようだ。調べると、常念小屋と蝶ヶ岳はテント場の予約は不要とのこと。これなら自由がききそうということで行先決定です。
もくじ
このときの車中泊場所
中房温泉の安曇野市営第一駐車場
簡易トイレあり
有明荘を通過してしばらく行くと正面に中房温泉登山口第2駐車場の入り口があり、左手の橋を渡ってすぐ左手に第1駐車場がある。夜は明かりが何もなくて真っ暗なので第一駐車場の入り口を見落としてロータリーまで行ってしまいました。ロータリーのあたりにも駐車場らしきスペースはありますが、登山者用ではありません。
駐車場内は暗いので注意しましょう。
合戦尾根で燕山荘へ
登山口は有明温泉入口です。
ちょうど駅からのバスも着いて賑わっています。
登山届の提出と検温をしてから出発です。
北アルプス3大急登と言われている合戦尾根を登ります。
第一ベンチ、第二ベンチ、と休憩ポイントが用意されています。
どれだけの急登なのか、今の体力で大丈夫なのか?
不安はありましたが、よく整備された登山道は歩きやすく、つい先日に八経ヶ岳に登ったことでウォーミングアップになったのか元気に淡々と登っていくことができました。
テント装備の人、日帰りの人、たくさんの人が登っています。
まずは最初の目的地の合戦小屋です。
すいか!!
すいか!すいか!これがあるからここまで元気に来れたと言っても過言ではない。
一切れは思ってたより小さかったけど、甘くて瑞々しくてとーっても美味しかった。
さて、もうひと登り。
早朝はちょっとどんよりしていた空が明るくなってきました。
見えてきました。燕山荘!
また泊りたい小屋。行ってみたい小屋。と、とにかく大人気の評判の良い山小屋です。
青空に映える赤い小屋。
期待に胸が高まります。
燕山荘の外のはしっこに荷物を置いたら燕岳までお散歩です。
槍ヶ岳、穂高方面以外はなかなかいい感じに見えています。
嬉しい楽しい散歩道です。
コマクサがたくさん可愛く咲いています。
コマクサの群生は小屋の方々の努力の賜物だそうです。
夕食の時間に燕山荘のオーナーさんがスライドショーとともにいろいろなお話をしてくれました。コマクサを大切に大切に守ってこられたという話を聞いた後だと可憐な花がますます可憐に見えました。
この燕山荘、Mochiは知りませんでした。
ケーキがあるなんて!!
4種類くらいから選べました。
そして、セットのドリンクはAnkoチョイスのまさかの牛乳!これがとっても良く合って美味しかったー!
なんなんだこの素敵すぎる絶景カフェは。
コロナ対策の小屋はどんなだろうかと不安になりつつ、チェックインして案内されたところは。
カーテンで仕切ってプライベート空間を確保できる快適なスペースでした。
寝具は、シュラフカバーかシュラフを持参ということでしたので、敷布団の上にシュラフで寝ました。
館内はマスク着用必須です。
食事もおいしくって快適に過ごせてよかったです。
燕岳から常念岳
2日目の朝です。
朝食を1回目の4時半からにしたのですが、あまり人気のない時間だったようで食堂は空いていました。
朝食を済ませると御来光の時間です。綺麗な朝がはじまりました。
まずは大天井を目指します。
歩き始めは空も明るくていい感じだったのですが、大天井に近づくにつれてだんだんとどんよりとしてきて。
おかげで雷鳥を見ることができました!かわいい!
嬉しくてズームにしたらピンボケばかりで。
大天井ヒュッテに着くころにはもうガスガスで真っ白です。
大天井からの景色が見たくて、コーヒーを飲みながらしばらく待ったのですが、雨がパラつきガスが晴れることはなく、諦めて大天井ヒュッテ名物のインドカレーを食べました。
名物のこのインドカレーが、そこらのインドカレー屋さんよりも美味しいんじゃないかというくらいに美味しかった。しかもチャイとデザートまでついているし。山の上ということを忘れたわ。
どうなっているのかわかりませんが、メニューに冷やし中華があったのにも驚きました。
外はポツポツと降ったり止んだりのどんより模様です。
幸い本降りになることはなく、東天井岳をすぎると景色は緑のお花畑な雰囲気になり、谷の方を覗くと小さな黒い影(クマ)が見えたりと景色を楽しみながら常念小屋までたどり着くことができました。
常念小屋で受付をして、テントを設営したら常念岳に登りに行きます。
サクッと山頂を往復しようかと思ったのですが、山頂に着いたら槍穂以外の雲がどんどん取れてきて見晴らしがよくなってきたのでついつい長居してしまいました。
ぐるぐるとあっちこっち見とれていたら遅くなってしまったので、テントに戻ってからはささっと温めるだけのカレーを食べました。
テント場はたくさんのテントでいっぱいでした。
夜中に暴風と雨が吹き付けてきて不安になりながらテントで就寝です。
朝になったら晴れてくださいと祈りつつ。
常念小屋でのんびり
3日目の朝です。
なんとか雨も上がり、美しい御来光が見られました!
このまま晴れてほしいところですが、天気予報は微妙です。
「このまま下山しようか」、「先に進もうか」、小屋は要予約ですしねと常念小屋の受付の近くで他の登山客と話していたら、小屋の人からまさかの「空いてるから泊まれますよ」とのお言葉が。
テントもいいのですが、小屋にも泊まりたい。
Ankoは以前から山でのんびりする日があってもいいと言っていたので、それじゃあ泊まるかと即決です。天気予報も翌日のほうが良さそうなので期待しつつ。
そうと決めたらのんびりタイムです。
常念小屋の周りはテント場以外にも広いスペースがあるので、昨晩の雨に打たれてびしょびしょのテントを広げて乾かします。ついでにいろいろ干します。
乾かしながらの日光浴が気持ちいい。
午前中はとても天気が良くて、日帰りで登ってくる人の歓声が聞こえていました。
Anko&Mochiはというと、のんびりとランチを作って食べて。
お昼頃になるとまた雲が増えてどんより空になってきました。
チェックインの時間になったので受付をして、検温をして、案内された部屋は、まさかのひと部屋貸し切り。
枕元に仕切りを設けてありますが、密にならないようにグループごとに部屋割りされているようでした。
申し訳ないくらいに快適に過ごすことができました。
燕山荘でもそうでしたが、食事時、小屋のスタッフの方は感染症への最大の防御ということで全身防護服に身を包んで作業をしていました。山でみるその姿は異様ですが、こうした苦労によって小屋に泊れることに感謝しかありません。
夕食の時に案内されたのは、以前、常念岳の山頂に祀られていた「常念坊」に見守られながら食事ができる特等席でした。
ちなみに、おかわりはスタッフさんに器を掲げてアイコンタクトしました。
絶望からの大展望 感動の蝶ヶ岳
4日目の朝です。
時間が重なりましたが、御来光よりも朝食をとりました。
空模様はいまいちだけど、天気予報はまずまず。
信じて出発です。
まずは再びの常念岳へ登頂です。
展望はなかったので記念撮影だけして先へ進みます。
いよいよ蝶ヶ岳への稜線です。常念岳からはその稜線が見えていたんですけどね。
進むにしたがってだんだんとガスが湧いてきて、とうとう雨になってしまいました。
この日晴れることを信じて昨日はのんびりしたのに。
だんだんと心が沈んできます。
やっと雨が上がったのは蝶槍ヶ岳まできた頃。それでも強い風が吹いていて稜線に出ると一気に体が冷えます。
蝶ヶ岳ヒュッテの手前にある展望指示盤を山頂だと勘違いしたまま、受付をすませてテントを張ります。
張り終えたころにまたポツポツと降り出したので、慌てて荷物をテントに放り込んでランチタイムです。
しょんぼりしながらコーヒーを淹れて、常念小屋で買ってきたパンを食べて。
テント内でのんびりしていたら雨が上がったようなので、散歩に出てみました。
すると、さっきまで分厚い雲に覆われていたあたりがだんだんと薄くなってきて、穂高が現れました!
いつのまにこんなに近くに!
燕岳から蝶ヶ岳はパノラマ銀座とよばれるほどアルプスの大展望が楽しめる人気のコースなのに、4日もいたのに全然見えなかった穂高連峰の山々が!
初日に燕岳から一瞬見えた槍ヶ岳はだいぶ遠くだったのに。
いつの間にか槍ヶ岳を通り越してこんなに穂高に近づいていたなんて。急に目の前に現れたモンスターのような山容に圧倒されます。
しかも、振り返ると蝶ヶ岳の山頂標識が。なんてことでしょう。ようやくここで勘違いをしていたことに気がつきました。
このあとぐんぐんガスは消えて、歩いてきた山並みも綺麗に見えてきました。
夕食は蝶ヶ岳ヒュッテで購入しました。HPを見てここの味噌汁が飲みたかったというのも理由です。
ヒュッテ横のピクニックテーブルで穂高を眺めながらの贅沢ディナーです。
お味噌汁とご飯はおかわり可能でした。とっても美味しかったです!
蝶ヶ岳から有明荘へ
5日目の朝
雲海とその上の朝日に染まる雲!完璧な朝です。
いつまでも見ていたい美しい御来迎です。
蝶ヶ岳の朝はとても忙しいです。なぜなら、後ろを見ると、これ。
朝日も素晴らしいけど、朝日に染まる穂高の峰々!
前を見て、後ろを見て、ぐるぐるぐるぐる忙しいです。後ろにも目が欲しいくらいです。
すっかり明るくなるまでずーっと眺めていました。
朝食を食べて、下山の前にもう一度蝶槍ヶ岳まで行くことにしました。
最高の展望を堪能していかないと!
蝶槍ヶ岳でランチを食べながら「もう一泊したいね。」なんて言いながら。
十分眺めたはずなのに、まだまだ見ていたい。
片づけをしながらもいい眺めです。ついつい手が止まります。
片付けながらも「やはりもう一泊・・・」と悩みました。
そんな後ろ髪をひかれながら下山です。
蝶ヶ岳からは三股に下山します。
すれ違うテント泊装備の人、重くて疲れたーとバテ気味の人に、「上は今日サイコーですよ」と声をかけると皆さん笑顔を取り戻して登って行かれました。
三股からは下山する前に呼んでおいたタクシーで中房の駐車場まで戻りました。
中房の駐車場から有明荘に移動してこの日は有明荘に宿泊しました。
有明荘にはこの日の朝、蝶ヶ岳ヒュッテの近辺の電波が入るところから予約を入れました。
大きな露天風呂。温泉旅館のような豪華な会席料理ではないけど心のこもった手作りの美味しい料理、そして、燕山荘グループの宿なので、下山してもまだ山気分でいられる。今回の山歩きの締めで泊まるには最高の宿でした。
まとめ
- 中房温泉の登山者用駐車場は第一から第三まであります。
- 満車の際は有明山神社にも登山者用駐車場があり、そこから乗り合いバスに乗ることもできますが、すでにバスが定員の場合には乗車できません。
- 中房温泉が満車の場合や、縦走予定のときは穂高駅の駐車場を利用したほうが確実にバスに乗れるのでいいかと思います。
- 今回だけではなく、今後もコロナの影響は続くでしょう。
- 山小屋を利用する際は、小屋泊、テント泊、どちらも最新情報を確認し、必要によっては予約をし、感染対策をしてから向かいましょう。
- 今回、常念小屋へ当日宿泊できましたが、必ず事前に予約をしてから登りましょう。
- 燕山荘
- 常念小屋
- 蝶ヶ岳ヒュッテ
- 蝶ヶ岳ヒュッテで夕食を購入したいときはテントの受付と同時に注文しましょう。
- 三股から中房温泉の駐車場までは南安タクシーを利用。
- 途中、郵便局2か所の寄り道と遠距離割引があって、14000円ほどでした。カード利用可(電波状況による)
- 三股は電波が悪いし、タクシーの到着まで時間がかかるので必ず下山前に電話をしましょう。
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