飯豊連峰 心安らぐ癒しの山

訪れたのは2018年8月12日から14日

この時は夏休み休暇で北アルプスの計画を立てていたのですが、天気予報がよろしくなくて、実際に長野自動車道を走りながら北アルプスを見るとあっちだけ暗黒の雲に包まれているのが見えました。Anko&Mochiは暗黒界に支配された山に入る度胸はないので、急遽天気予報とにらめっこした結果、飯豊連峰へと行くことにしました。

さくっと行先を変更して、どこでも快適に眠れる車中泊旅は本当に自由で楽しい。そう思える瞬間です。

このあと飯豊に向かう途中で食べたラーメンがとってもおいしかったのですが、お店の名前も場所も覚えておらずに残念です。

途中で温泉に寄ったりしながら登山口を目指したため、到着時にはすっかり夜になってしまいました。

もくじ

登山口は弥平四郎

弥平四郎の登山口は集落を抜けた先の未舗装の林道を走った奥にあります。

安全のためゆっくりゆっくり走っていきます。

登山口はだいたい山奥にあるのですが、毎回、ホントにこの先に駐車場があるのだろうかと心配になります。

しばらく走ると10台ほど車が止めてあります。よかった。駐車場に到着です。

後ろからもう1台車が来ました。

すぐに寝ることにします。

うっすら明るくなるころに起きました。

登山口駐車場

ここの駐車場にはトイレがあるので安心です。

仮設トイレですが、きちんと管理もされているトイレのようでした。ありがたいです。

弥平四郎登山口は巻岩山を通る「新コース」と松平峠を通る「新長坂ルート」の2つのルートの起点となっています。

Anko&Mochiは緩やかそうな新ルートを行きます。

それでも登り始めてすぐに急登が始まります。

でもはじめから「飯豊はきつい山」という認識で来ているのでがんばりますが、それよりもアブがうるさくてうるさくて、ずーっとぶんぶんブンブン追いかけてくるんですよね。

アブに効果的な虫よけはどれでしょうか。

Mochiは我慢できずに手ぬぐいを振り回しながら歩きました。ムダニツカレマス。

コースタイム1時間半ほどで上之越という分岐にさしかかるのですが、不思議なことにここから先にはアブはいませんでした。アブにもテリトリーがあるのでしょうか。

(帰路、同じコースで戻ってきましたが、ここの分岐から下はやはりアブに付きまとわれて鬱陶しかったです)

尾根道になり少しずつ視界が開けてきます。

遠くに磐梯山が見えています。

大小のおむすびが並んだようなきれいな山容です。

真夏の日差しが暑いです。

これこれ

そして左手には、見えてきました!飯豊連峰の稜線とぽこっと出ているのが飯豊連峰の最高峰の大日岳です。

あそこまで行くことができるのでしょうか。

三国小屋で一息ついて先へ進みます。

福島県のとーっても細長いところ

三国小屋から先は福島県の細長い部分のはじまりです。

飯豊山はそもそも山岳信仰の山です。

福島県会津地方側のもう一方の登山口である川入、御沢登山口に向かう途中の集落に飯豊山神社(麓宮)があるのですが、その奥宮が飯豊山の山頂近くにありそこに詣でるための参道がこの細長い福島県にあたるようです、県境を定めるときにその参道のみを残したために約90㎝ほどの幅しかないようです。山頂当たりの幅はもっと広いようですが、信仰と歴史のハザマからできた県境ですね。興味深いです。

登山道を歩いていても、特に県境に線が引いてあるわけではないのですがね、ついついこっちは山形県かな。一歩こっちは新潟県かなと遊んでしまいます。

福島県を歩く

福島県民のみなさんはこの細長い県境のことを知っているのでしょうか?

ちなみに、静岡県とおとなりの長野県は毎年、綱引き勝負によって県境が変動しています。今年はどちらの領土が広いのかな??

飯豊山は水が豊富?

この日はかなり気温が上がり、想定よりかなり水を消費したので、切合小屋で水を補給することに。

小屋に着くと水場には行列ができています。

ここの水場は夏の間、近くの雪渓から引いているので、うまく水が流れてきていないからかな、と思いました。小屋の人が出てきてちょろちょろとしか出てこない水を見て、並んでいるよりも雪渓まで行って組んできたほうが早いよと言っていました。Anko&Mochiはあと3人ほどで順番が来そうだったので雪渓まで行くことはしなかったのですが、それでも雪渓まで直接汲みに行ったほうが早いようでした。

なんとか水を補給しまだまだ進みます。

ゴールハドコダ

アップとダウンが大きいですな。

難所と思われた御秘所はそれほど大変でもなかったもですが、ゴールへ向けてのアップダウンが容赦なかったです。

青空と飯豊グリーンに癒されながらがんばります。

オオー

この日の宿である本山小屋がもうすぐそこに。

ようやく到着した本山小屋は賑わっていました。

小屋は満員です。一人分マット1枚の幅はあったので良しとしましょう。

小屋の隣に飯豊山神社が鎮座しているのですが、この日は小屋が溢れてそこに泊まる人もいるようでした。

神社にお参りしようと行ってみると、中に人がわちゃちゃいたのでなんだかしっかりお参りしそびれてしまいました。

この賑わい、Anko&Mochiと同様に天気予報をみて飯豊に来た人もけっこういるようでした。

さて、飯豊の小屋は小屋番さんがいるとはいえ避難小屋なので、寝具と食事は基本的に持参です。

一応、ビールの販売などしていますが、数に限りがあります。この時はビールの売れ行きがよくて、小屋番さんの個人の持ち分まで販売しているようでした。「オレのビール、、、泣」ってね。

この日はごはんと野菜スープでぶっかけ飯です。スープが多めなところがさらさらっと食べやすくてよかったです。

メシ~

本山小屋のテント場からちょっと下ったところに水場あり汲みに行ったのですが、山から直接水が湧いている水場なのにここもちょろちょろしか出ていなくて時間がかかりました。今年は水が少ないようです。これより少し前、山形で記録的大雨が降ったのですが、どうやら飯豊には降らなかったようです。降りすぎも困りますが、降らないことも問題ですね。ここのところの雨の降りかたはバランスを考えてほしいところです。

本山小屋のトイレは小屋の外にありますが、とってもしっかりした造りの綺麗なトイレで驚きました。ありがたいことです。

アルガトウ

美しい夕日を見ることができました。

この夜、流星群が見られる日で歩いている最中もその話をしていてMochiは楽しみにしていました。

しかし、Mochiすっかり寝ていたようでAnkoは一人で流星群をみたそうです。

翌日からしばらくずーっとこのことについてAnkoはMochiから恨まれるのでありました。

飯豊連峰の最高峰を目指すのか。どうなのか

翌朝、朝食に途中のSAで購入した新潟名物の笹団子(とーっても美味しかった)を食べながら天気予報をチェックすると、午後から天気が崩れてきそうな微妙な予報です。

ゴライコウ

なかなか美しい朝日です。

新しくはじまる一日にわくわくします。

やっぱり飯豊をもっと歩きたいので大日岳まで行くことにしました。

飯豊山の山頂を超えて御西小屋までなだらかな道がつづいています。

「飯豊のたおやかな稜線」と表現されるあたりです。

タオヤカニウツクシク

たおやかに、ゆるやかに、なだらかに、緑色濃くあざやかに、どこまでも歩いていきたくなる稜線です。

多少雲が出てきましたがまだ大丈夫です。

大日岳に影がありますが、大丈夫です。向かいます。

まずは御西小屋に着いて一息つきます。

ナカナカノトイレガウシロニアルヨ

大日岳のバッジを売っているかなと思ったのですが、ここにはなくて梅花皮小屋で販売しているとのことです。残念ですが、次回の楽しみにしておきましょう。

さあ、ここから大日岳にいきましょう。ここからひと登りです。

大日岳への道。最後の方にキュッと登りがあるけれど、全体的には気持ちよく歩ける道です。

なんて素敵な朝散歩!

途中に小さな池があったりと、潤いを感じる道です。

キタヨ!

大日岳の山頂に到着です!

来れてよかったー!でも飯豊はこれで終わりではありません。

歩いた飯豊のさらに続くあの尾根に歩いて行きたくなります。

さあ、お天気のいいうちに戻りましょう。

戻るとき、御西小屋の水場で水を調達したのですが、ここは水がじゃばじゃば出ていました。

飯豊の水場で汲んだ水、とっても甘くておいしいんですよ。

ミネラルウォーターと表示のある水を持っていたのですが、それがまずく感じるほどに飯豊の水はおいしくって、ポカリスエットの粉末もあったのですが、それも使いたくないほどに甘くておいしい水でした。

イエーイ

再び飯豊山頂を通ります。だいぶ雲が増えてきました。

貴重な水を持って本山小屋まで戻ると雨がパラついてきました。

迷うところですが、ここから三国小屋まで下りることにしました。

幸い、本降りになることはなく、レインウェアも着なくてすみました。

フクシマケンヲユク

下山時の御秘所のあたりです。この岩がちな細長い通りだけが福島県です。

三国小屋はほどほどの人数でほどほどのスペースがありよかったです。

三国小屋のトイレは小屋内にあるのですが、びっくりするくらいに無臭で綺麗でした。

ありがたいことです。感謝感謝。山でトイレがあるだけで感謝ですが、やはり綺麗だと嬉しいです。

三国小屋からちょっと下りたところに水場があるのですが、このときはここもちょろちょろしか出ていないようでした。

この夜、Mochiは夜中にこっそり起きて夜空を見上げたのですが、ガスに包まれていて何も見られませんでした。とぼとぼと寝床に戻ります。

さようなら。また来るね。

3日目のこの朝、雨は降っていないものの飯豊は雲に包まれていました。

最後にまたあの尾根が見たいなあと思いしばらく待っていたのですが、タイムアップ。

小屋に着いたら登山靴を脱いでリラックスしたいところです。

本山小屋もそうですが、サンダルがあったのがありがたかったです。

快適だった小屋、名残惜しくてのそのそと準備します。

雲がちで最後に飯豊の山並みが見えなかったのは残念ですが、小屋番さんに挨拶して下山することにします。

「クマに食われんようになー」

本気とも冗談ともとれる言葉を背に歩き始めます。

途中、3日前にはなかったフレッシュな爪痕がガッとついた木がありました。

どうやらこの辺りににいたようだね。今は出てこないでねー。

アブにしか出会いませんでした。

駐車場にもアブがぶんぶん飛んでいました。

先日は早朝だったからいなかったのでしょうか。それとも寝ぼけていて気が付かなかったのでしょうか。

ここでは荷物をぱぱっと車内に放り込み、場所を移動してから改めて荷物を整理することをお勧めします。

そうしないと車の中までアブだらけになってしまうかもしれません。

まとめ

  • 弥平四郎登山口へは最新の情報を確認してから向かいましょう。
  • 避難小屋のスペースには限りがあるので、テントがあった方が快適に過ごせるかも。
  • 寝具と食料は持参です。
  • 本山小屋と三国小屋のトイレはとってもきれいです。
  • クマの目撃情報も多いです。

おまけ 水で食べる水そばとは

弥平四郎登山口へ向かう道中、そば街道らしきのぼりがたくさんはためいていたんですよね。

飯豊山から下山した後、ちょうどお昼の時間だったので行ってみることにしました。

場所がよくわからなかったのですが、道すがらいた人に聞きながらたどり着きました。

喜多方市山都町の宮古そばというようです。

数件の蕎麦屋があります。目についた一軒に入ってみました。

そばのセットを注文しました。

おかみさんが「水そば」をぜひ食べてみてというのでいただきました。

ただ冷たい水にそばが入っているだけですが、これがとっても美味しくって。

やはり、飯豊の美味しい水だからなせる業なんだと思います。

セットには「こづゆ」など福島県の味覚も並んでいます。どれも美味しかったのですが、この「水そば」が一番印象的で美味しかったです。